士業の中でも少し試験内容に癖があって合格が難しいのが税理士。実際に税理士試験を受験する人の中には挫折してしまう人も少なくありません。実際に税理士試験は他の資格と比べておかしいという声も。それでは、税理士試験がおかしいと言われる理由や、税理士試験を乗り越えるポイントについて解説します。
税理士試験がおかしいと言われる理由は?
税理士試験がおかしいという言われる理由は様々。一癖ある試験なので、合格に時間がかかる人が多いです。まずは税理士試験がおかしいと言われる理由から解説していきます。
合格に必要な科目数が多い
税理士試験の出題科目は11科目。うち会計論に属する簿記論及び財務諸表論の2科目、所得税法もしくは法人税法の2科目のうち1科目、相続税法・消費税法・酒税法・国税徴収法・住民税又・事業税・固定資産税のち2科目の計5科目に合格する必要があります。
これだけの科目に合格しなければいけませんが、各科目の合格率は毎年10%〜20%。しかも各科目の難易度は年度によって大きく変わります。そのため、合格できるかどうかはタイミングや運も影響します。
ただでさえ1科目に合格するだけでもかなり難易度が高いのに、それを5科目となると、心が折れてしまうでしょう。
合格に時間がかかる
税理士試験は1科目ずつの受験が許可されています。また、科目合格の際に期限が設けられていないので、税理士資格を得るのに何年かかっても問題ありません。実際に税理士資格を取得するのに10年以上かける人もいます。
先ほど解説した通り、税理士試験の合格率は1科目だけでもかなり低く、1度に5科目すべてに合格するのは天才でないと難しいでしょう。そのため、毎年1〜2科目受験して合格を目指す人が多いです。
ただ、この計算でも税理士に合格するには3年はかかります。しかも毎年順当に合格できるとは限りません。やはり人によって科目ごとに得意不得意が出てくるので、早いうちに得意科目に合格できたとしても、残りの苦手科目で苦戦して数年間不合格が続いてしまうケースがよくあります。
しかも税理士試験が開催されるのは年に1回。チャンスが少ないので順調に合格できたとしても5科目合格に時間がかかります。不合格科目が出たらなおさらです。
加えて税理士試験の合格発表は試験の4ヶ月後。試験後するに合否がわかれば落ちていたとしてもすぐに切り替えて次に備えられますが、合格発表まで間が開くので余計にモチベーションの維持が難しい資格と言えるでしょう。
やはり仕事を始めるのは早いに越したことはありません。税理士試験のように合格に時間があかってしまうような資格では、若い人材が入ってきにくいというデメリットも。
したがって、実際に試験の仕組みを変えて、若い人が早く活躍できるようにするほうが良いのではという意見もあります。
一部の問題の採点基準が不明瞭
税理士試験の問題の中には、採点基準が不明瞭で、採点者によって正誤が左右されるようなもないが存在します。余裕で合格できるラインの人なら何問か誤答扱いになったとしても問題ありませんが、合格ボーダーの人からすると都合が悪いでしょう。
本来試験で出題される問題は、正誤がはっきりしているものでないといけません。国家試験ならなおさらです。この採点基準の不明瞭さも税理士試験がおかしいであると言われる理由の一つと言えるでしょう。
税理士試験合格を目指すメリット
これだけ他の資格と比べて仕組みが理不尽な税理士試験ですが、受験するメリットはあるのでしょうか。次は税理士試験を受験するメリットについて解説します。
安定した収入が期待できる
税理士は世間的にも難関資格として広く知られています。税理士として税理士事務所などに所属できれば、安定した収入が期待できるでしょう。
税理士の平均年収は958万円。経験を積めば高年収も狙える仕事なので、安定はもちろん、お金に余裕のある生活を送りたい人におすすめの資格です。
企業でのキャリアアップが期待できる
税理士の働き先には税理士事務所以外にも保険会社や金融系企業など、お金を取り扱う企業が挙げられます。お金を取り扱う仕事をするうえで、士業の資格は説得力が高まり、キャリアアップはもちろん、転職の際も優遇されやすいです。
実際に社会人になってからキャリアアップを目的として税理士資格に挑戦する人は多く存在します。
税理士試験を受けずに税理士になる手段ってあるの?
仕組みがおかしいと言われる税理士試験。試験に納得がいかない、合格できるか自信がないと思っているの人の中には税理士試験を受けずに税理士になる手段は無いのかと思っている人もいるかもしれません。
それでは、税理士試験を受けずに税理士になる方法について解説します。
公認会計士試験を受験する
公認会計士試験に合格すると、税理士として働くことも可能です。
一般的に税理士試験は5〜10年、公認会計士試験は2〜3年で合格できると言われています。公認会計士も税理士と同程度の難関資格ですが、短期間での合格を目指したいなら公認会計士資格の取得も視野に入れてみると良いでしょう。
公認会計士は税理士と比べると範囲が狭いです。ちなみに出題範囲は短答式試験が財務会計論、管理会計論、監査論及び企業法の4科目、 論文式試験は会計学、監査論、租税法、企業法及び選択科目(経営学・経済学・民法・統計学のうちどれか1つ)の5科目となっています。
公認会計士試験の選択科目はそれぞれジャンルが異なるので、理系・文系それぞれで自分の得意科目を見つけやすいです。
様々な分野の問題が出題される税理士試験と比べて、公認会計士試験は1科目の理解を深められれば他の科目も頭に入りやすいでしょう。その分深い知識が問われるので、税理士試験と比較すると税理士試験は量・公認会計士試験は質が求められるとよく言われています。
特に会計を専門的に学んできた人からすると、会計関連の科目が多い公認会計士は有利です。公認会計士に合格することで税理士資格を得るという手段もありでしょう。
司法試験に合格する
弁護士も税理士業務を行うことが許可されています。司法試験は税理士試験と比べると遥かに難易度が上がりますが、出題範囲は短答式試験が憲法、民法、刑法3科目の択一式試験、論文式試験が法律基本7科目と選択科目(倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係法)。法律全般に関する知識が問われるので、税や会計よりも法律の勉強に注力してきた人なら司法試験経由での合格を目指すのも良いでしょう。
国税専門官として23年以上勤務する
非現実的な方法ではありますが、国税専門官(国税調査官・国税徴収官・国税査察官)は10年以上勤務することで税理士試験3科目の免除、23年間の勤務で全科目の免除が受けられます。
ただし、国税専門官は大卒以上であれば学部に関係なく目指せるものですが、一般的には法学部や社会学部など専門の学部出身の人が中心。倍率も毎年4倍〜6倍と高いので、正直税理士試験を受ける方が早いかもしれません。
税理士試験は厄介な試験!時間をかけて合格を目指そう
税理士試験は出題範囲が広く、しかもどの範囲も難易度が高い厄介な試験です。そのため受験にあたって何よりも大切なのは、時間がかかっても落ちたとしても折れないメンタルでしょう。
税理士になれば安定した生活が待っています。計画的に勉強を行い、着実に1科目ずつ合格を目指しましょう。

