企業や個人事業主、あるいは個人の相続などでお世話になるのが税理士です。
そんな税理士ですが、実際に働く場合現実的な年収はいくらなのでしょうか。
厳しい競争や資格試験を乗り越えた税理士は、ほとんどが医師や弁護士に迫る高収入というイメージがあります。
しかし、その一方で現実は年収が安いという噂もあります。
今回は、税理士の年収は実際のところどうなのかについて解説し、現実の税理士の収入をテーマにまとめました。
税理士を目指している方や年収に興味のある方にとって、きっと参考になるはずです。
開業税理士の平均年収は1,000万円を超える
基本的に開業している税理士の平均年収は1,000万円を超えるとされています。
ただ、これは統計的な問題であり、現実は二極化しているのです。
確かにあるデータでは、年収1,000万円以上の開業税理士は、全体の30%を超えています。
しかし、その一方で25%の税理士が年収300万円以下になっています。
つまり開業税理士の間で二極化が進んでおり、稼げる開業税理士は弁護士を超える収入を得ている一方、そうでない開業税理士は一般の会社員よりも年収が少なくなっているのです。
このように開業で成功すれば、非常に高額な年収を得られる一方で、そうでない税理士は、低い年収で仕事を続けなければならないというのが現実といえるでしょう。
ちなみにこの開業税理士は、税理士資格を持っている人の役8割を占めており、実際の税理士の年収事情に近いと言えます。
しかし、税理士の実際の年収を知るために残りの2割である勤務税理士の年収も見ていきましょう。
勤務税理士も二極化している年収事情
勤務税理士の平均年収として一つの目安が全国平均年収が888万円です。
一見大手企業の平均年収よりもいいように見えますが、これにも落とし穴があります。
それは、公認会計士と一緒になっている、勤務先によって全く待遇が違うという2点です。
まず、税理士の平均年収は公認会計士と一緒に統計へ入っているということです。
公認会計士とは、企業の監査業務や企業の経営のアドバイスといったコンサルティング業務を行う職種です。
税理士とは、また異なった資格ですが、公認会計士は取得することによって税理士資格も同時に持つことができます。
そのため、統計上は公認会計士の年収も税理士に入ってしまっているのです。
税理士も十分難関資格ですが、公認会計士はそれよりも難しく、弁護士に迫る難易度を誇る資格です。
そのため、可能な業務も幅広く、税理士ができない企業監査も行えます。
企業監査は、業務量が多く非常に責任が大きい仕事であることから報酬も高額で、この仕事を受けた公認会計士の年収は、1,000万円を超える方が少なくありません。
極論をいえば、税理士よりも年収が高く、これが平均年収を挙げている可能性があります。
しかも勤務している公認会計士は、いわゆるBIG4と呼ばれる大手の会計事務所であることも珍しくありません。
これらの会計事務所は外資系で、数千万円の公認会計士も多くいるのです。
そういった人々を税理士の平均年収に加えると非常に高額な平均年収となるでしょう。
次に勤務先によって全く待遇が異なるという点です。
零細の税理士事務所であれば、そもそも丁稚奉公のような形で実務経験を積む形になります。
そのため、平均年収も非常に低く、大卒の同年齢の会社員よりも100万円近く低い場合も少なくありません。
一方で、好調な税理士事務所で勤務すれば、事務所自体が潤っているため収入も多くなります。
つまり勤務先で年収は大きく違ってくるのです。
次の項目では、勤務税理士で高収入になるケースはどのようなものになるか解説しましょう。
勤務税理士で高収入になるケース
勤務税理士で1,000万円を超えるような高収入になるケースは次の4つが挙げられます。
1・好調な税理士事務所勤務
2・幹部の税理士
3・顧客が大口の税理士事務所勤務
4・大手会計事務所
まず、儲かっている税理士事務所に勤務すると、自然に給料も良くなり、年収も高くなります。
いくつも税理士事務所を持っていたり、多くの顧客を持っていたりする税理士事務所は、その分売り上げも大きく、人件費に当てる余裕もあります。
次に幹部の税理士になることです。
グループ内の税理士事務所の所長になったり、本部の幹部クラスになると、役員報酬や役職手当などが大きく、年収も自然に高くなります。
売り上げの大きな税理士事務所であれば、ここまでのクラスになると好調な開業税理士よりも年収が上ということも珍しくありません。
3つ目が大口の顧客や優良顧客を抱えている税理士事務所です。
様々な業務の依頼をしてくれる大口の顧客を持っていたり、どんどん顧客を紹介してくれる優良顧客を抱えていたりといった税理士事務所がそれに当たります。
また、相続専門であったり、特定の業種に特化して、その分野の自営業者から絶大な支持を得ている税理士事務所に勤務してもいいかもしれません。
こういった事務所は、売り上げも非常に高いので、その分年収に還元されます。
大手会計事務所勤務も先ほど触れた通り高収入が期待できます。
多くが公認会計士を雇用していますが、税理士も雇用することが少なくありません。
税理士枠で、こういった大手の会計事務所に勤務できれば、高水準の年収で勤務税理士として勤務できるでしょう。
ただし、注意点としてこれらいずれのケースでも税理士として求められる能力が高い必要があります。
かろうじて資格を取って、税務の基礎がプロレベルで何となくわかるという程度では、相手にされません。
そういった状況にならないためにもスキルや知識を日夜磨いていきましょう。
また、中途採用もあるので、いったんこれら以外の職場に勤務し、十分な実務能力を身に着けてから、前職の経験ややる気などをアピールして、採用に繋げるという方法もあります。
最初に自分を採用してくれた税理士事務所に勤務してスキルを学び、収入が頭打ちになってきた時点で転職エージェントなどのサービスで転職を狙うのも有効です。
#一概に税理士は高収入・低収入とは言えない
結論をいえば税理士の年収の現実は、一概に高い、低いといえるものではありません。
たしかに税理士は平均年収だけで見れば、一般のサラリーマンがうらやむような高収入です。
しかし、現実は極端ともいえるような二極化をしており、平均年収が300万円を切るような開業税理士がいる一方で、勤務税理士でありながら数千万円以上を稼ぐ税理士もいます。
このような状況になっているため、まずは税理士資格を取得して勤務税理士としてスキルを磨きつつ、高収入を狙い、十分な実績を得たら独立開業して、大きな収入を狙うといった形になるでしょう。
もちろん、開業志向がないという方は、スキルや知識を十分に磨いていき、営業力も身に付けて事務所の重要な人物になれるように鍛錬することです。
そうすることで、勤務税理士であっても高収入の税理士となれるでしょう。
税理士の年収の現実は?
税理士は平均年収が高いものの、二極化しています。
そのため、高い年収の税理士を目指すには、事務所でスキルを磨いたり、実績を積んで転職をしたり、あるいは独立開業して多くの顧客を持つということが挙げられます。
この3点を意識しつつ税理士を目指せば、多くの収入が得られる税理士として活躍できるでしょう。
基本的に税理士は儲かるとは言い切れませんが、努力次第でいくらでも稼げる職業であることは確かです。

