できるだけ早く税理士になりたいと思っていませんか。これから勉強を始めて税理士として働くにはどのようなルートをたどるのがベストなのでしょうか。税理士の資格を得る方法は一つしかないわけではありません。この記事では税理士になるまで流れを紹介した上で、最短ルートを詳しく解説します。
税理士になる4つの方法
税理士になるには税理士登録をする必要があります。税理登録をする方法として代表的なのが以下の4つです。
・税理士試験で会計学2科目と税法3科目以上合格する
・弁護士になる
・公認会計士になる
・23年または28年以上税務署で国税の仕事に従事して指定研修を受ける
最もよく選ばれているのは税理士試験に合格する方法です。合計11科目の中から選択式で受験し、会計学2科目と税法3科目の合格を達成することが必要です。科目によって覚えなければならない内容の難易度も分量も異なるため、必要な勉強時間にも違いがあります。最短ルートで合格したい場合には勉強しやすい科目を選ぶのが重要なポイントです。
弁護士と公認会計士については資格があれば税理士試験が免除されます。また、税務署で長期勤務をしていた人が研修を受ければ税理士試験の免除を受けることが可能です。ただ、もともと税務署で国税関係の仕事をしていた人でなければ非常に長い期間がかかります。
試験を受けて税理士になるために必要なステップ
税理士試験を受けて税理士になる方法が最短ルートになる場合がほとんどです。効率的に進んでいけば4年~5年くらいで税理士になれる可能性があります。4年~5年もかかるのは以下のように4つのステップが必要だからです。
1.税理士試験の受験資格の獲得
2.税理士試験の受験と合格
3.通算2年以上の実務経験を積む
4.在籍証明書を手に入れて税理士登録をする
受験資格があるか、実務経験があるかによって税理士になるまでに必要な期間には違いが生じます。税理士試験の受験資格として認められる項目の例を挙げると以下の通りです。
・大学・短大・高等専門学校・専修学校(専門課程)を卒業していて社会科学科目を1科目以上履修した
・大学3年以上で、社会科学科目を1科目以上履修した
・日商簿記検定1級以上の資格がある
・全経簿記検定1級以上の資格がある
・企業や個人事業で会計に関する事務に2年以上従事した
・銀行や保険会社などで資金の貸し付けや運用に関する事務に2年以上従事した
・税理士・弁護士・公認会計士などの業務の補助事務に2年以上従事した
税理士登録をするために必要な実務経験は基本的に経理、会計、税務にかかわる専門業務です。実務経験は税理士試験に合格した後に積まなければならないわけではありません。試験合格前の実務経験も含まれるので、試験勉強をしながら経験を積んでおけば速やかに登録できます。
税理士になる最短ルートを紹介
税理士登録を達成するまでに必要なステップを踏まえると、税理士になる最短ルートは以下の2つです。
・実務経験を積みながら試験に合格するルート
・学位による科目免除を活用するルート
人によってどちらの方が早く税理士になれるかが異なります。それぞれについて詳しく紹介するので、自分に合う方を選んで取り組んでいきましょう。
実務経験を積みながら試験に合格するルート
税理士試験の受験資格がない人にとって最短ルートになるのが実務経験と試験勉強を並行しておこなう方法です。会計の知識が実務に必要になりますが、税理士試験の合格にも不可欠なので、会計の勉強を先に進めましょう。そして、企業の会計事務として働きながら勉強を進めていきます。すると、2年間の経験で税理士試験の税法科目の受験資格を獲得できます。なお、会計科目については受験資格が不要なので、会計の勉強をして自信が付いたら受験を早めに始めることが可能です。
受験資格を学歴で取ろうとすると最低でも3年間かかります。その後に実務経験も2年以上積まないと税理士登録はできないので、どれだけ短くても5年が必要です。日商簿記検定一級、全経簿記検定一級の合格には平均すると1,000時間くらい勉強しなければならないと言われています。簿記検定の勉強をして会計の仕事に就くのもやり方の一つですが、税法科目の勉強も1科目あたり200時間~1,000時間くらいかかるのが一般的です。簿記検定1級の取得に向けて勉強する負担は大きいので、就業するのに必要な程度の会計の知識を付けるだけにして実務で受験資格を取った方が合理的です。
税理士試験では所得税法と法人税法の一方、残りの7科目から2科目を合格する必要があります。合格率が高くて勉強時間が一般的に短いと言われている科目を狙って勉強するのが最短ルートです。税理士試験は年に1回しかないので、覚える量が少ない科目を組み合わせるのも良い方法でしょう。また、実務でかかわっている税法があれば優先して選ぶのがおすすめです。
単純に勉強時間が短い組み合わせなら法人税法・国税徴収法・酒税法です。企業で会計業務に携わっているなら法人税法・事業税・固定資産税または消費税法といった組み合わせが実務と関連性が高くて学びやすいでしょう。個人事業の会計を担当しているなら所得税法・住民税・消費税法が実務とのつながりがある組み合わせ方です。
実務経験にかかるのが2年で、就業するまでに半年くらいはかかることが多いでしょう。そして、仕事をしながら勉強すると税理士試験に3回か4回は挑戦する必要があるでしょう。会計学2科目は実務経験を積んでいる間に合格し、その後に2年間かけて税法3科目に合格したとすると通算4年半で税理士になれます。
学位による科目免除を活用するルート
大学を卒業している人や在学中の人は学位による科目免除を活用するのが最短ルートになります。税理士試験では修士の学位を取得することで以下のように科目免除を受けられます。
・会計学に関する大学院の修士なら会計科目1科目
・税法に関する大学院の修士なら税法科目2科目
税理士試験の税法の負担は大きいので、税法に関する大学院を選ぶのがおすすめです。修士課程は2年間なので、会計学と税法の両方の修士号を取得すれば4年間で3科目分を達成できます。ただ、1科目免除のために2年間も費やすのはあまりおすすめできません。税法の大学院に進学して、会計学2科目と税法1科目の勉強をして合格するのが最短ルートです。
卒業した後に会計関係の仕事に就けば2年後には税理士登録をするための実務経験の条件もクリアできます。大学院試験の受験と入学に半年かかると考えると合計4年半で税理士になれるルートです。
なお、この他にも公認会計士の資格を取得して税理士になる道もあります。ただ、公認会計士の試験に合格するには2年以上はかかる人が多く、その後に実務経験も積まなければなりません。4年で税理士になれる可能性はありますが、税務の勉強をしないと税理士として実務をするのが難しいのであまりおすすめできません。
税理士になる最短ルートは?
税理士になるには税理士試験の受験資格を取得して、試験5科目に合格し、実務経験を2年以上積んで登録するというステップを踏む必要があります。受験資格があるか、実務経験があるかによって必要な期間も最短ルートも異なりますが、4年~5年はかかるのが一般的です。税理士試験の受験前から実務経験を積む、学位を利用して試験免除を受けるという2つのアプローチは税理士になる近道です。受験資格がない状況からでも4年半で税理士を目指せるのでぜひ挑戦してみてください。

